もっとわかった!知れば知るほど面白いエジプト神話【ファラオ / 古代エジプト人の暮らし / 死生観をわかりやすく解説】

こんなにハマるとは思いませんでした。

エジプト神話はとにかくユニーク。学べば学ぶほど面白い。

理由の一つは死後の世界にウェイトを置いていること。

忌み嫌われがちな「死」を肯定的に捉え、独特の世界観を築いています。

この記事では、前回漏れた基本事項を、さらに深掘り。

神話の真髄に迫ります。

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ファラオの絶対的神性

誰でも一度くらいは耳にしたことのあるファラオ。

その偉大さは、想像を遥かに越えたもの。

【ファラオとは?】
・ファラオ=「王」の呼び名
・巨大な宮殿に居住
・絶対的な権力を持つ
・太陽神ラーの子
・天空の神ホルスの化身
・人間と神々の橋渡し役

 

抜け忍
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神の力をバックグラウンドに持つ絶対的な権力者。それがファラオ。

 

神々との交信はもちろん、自らも神の化身であるため、誰も逆らえません。

それくらい古代エジプト人は、神の存在を信じ、ファラオを絶対視していました。

 

主な歴代ファラオ主な業績
ナルメル王 初代ファラオ。全エジプトを統一。
クフ王 カフラー王、メンカウラー王と供に初期の繁栄期を築く(ギザの三大ピラミッド)。
トトメス3世 史上最大の軍事遠征を行った「エジプトのナポレオン」 。
ツタンカーメン王 若くして即位した少年王。9年後、謎の死を遂げる。
ラムセス二世偉大な業績を称えたアブ・シンベル大神殿は世界遺産登録第一号にもなった。
クレオパトラ7世 最後のファラオ。大国ローマの支配に抗い続けた誇り高き女王。
ギザの三大ピラミッド
引用:完全図解 古代エジプト史

古代エジプト人とは?

古代エジプト人の起源

古代エジプト人の起源は旧石器時代にまでさかのぼります(数十万~1万2000年前)。

狩猟文化から始まった彼らの生活は、ナイル川に定住することで農耕生活へ変化(紀元前6000年前)。

その後、上流の上(かみ)エジプト、下流の下(しも)エジプトで、それぞれの文明が発展(紀元前4500~3500年前)。

さらに国家間同士の抗争に発展しますが、初代ファラオ・ナルメル王により統一(紀元前3000年前)。

抜け忍
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ここから怒涛のエジプト王朝時代に突入!

古代エジプト人の暮らし

①住まい
住居のほとんどはレンガ建築

定期的なナイル川の氾濫を避けるため、主に高台へ建てられました。

 

②結婚
古代エジプト人は短命だったこともあって、早婚が一般的。

特に高官の父親たちは、かなり早い年齢で(12~13歳)娘を結婚させました。

 

③食事と酒
エジプト人はパン食い人」と呼ばれるほど、パン食が浸透。

バリエーションも豊富。その数なんと50種以上!貧富に関わらず、国民全体の食卓に並びました。

遺跡から発掘されたパン(紀元前2000年ごろ)
引用:完全図解 古代エジプト史

また、ビールも代表的な飲料で、ビタミン補給のために普及したようです。

ビールを運ぶ人々
引用:吉村作治「古代エジプト文明の謎」

 

④学問と出世
古代エジプトを支えたのは、なんと言っても農業。

しかし国民全体に食糧が行き渡ると、農業にも余剰人員が発生。

余った彼らは、「書記」か「職人」に就きました。

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古代エジプト人の死生観

古代エジプトは栄養状態や衛生面が劣悪だったため、庶民の平均寿命は30~35歳くらいでした。

常に身近に死を感じていたことから、

・死語には永遠の命を授かる
・現世と変わりなく過ごせる

と言った死生観が生まれました。

人間を構成する5つの要素

古代エジプト人の考える人間は、5つの要素で構成されていました。

古代エジプト人の5要素
カー(魂):人間の生命力
バー(性格):肉体とカーをつなぐ精霊
アク(カー+バー=最終形態):魂・カーと精霊・バーが来世で合体した究極体。永遠の命を得ることができる
レン(名前):出生時の名前
シュト(影):人間の内面に潜む力
抜け忍
抜け忍

肉体は滅んでも魂は永遠に生き続ける」ってこと。

その先は非日常の世界ではなく、「現世の延長」に近いもので、遺体と供に実用的なもの(飲食物・衣類・遊具・農具など)が埋葬されました。

【イアルの野】
水が豊かな来世の理想郷。苦しい病気も川が氾濫することもありません。

そしてミイラが作られた

肉体は死者復活のために絶対必要。

そこへ魂・カーが戻ることで、来世で甦ると考えられていました。

そのため腐らせずに保存しなければいけません。

こうして死体を腐敗から守るミイラの生成が始まりました。

ミイラ師
職業として成立するほどミイラ作りは一般的に。王族から庶民まで5億体もあったとか。

死者の裁判

元々の天国は、貴族とファラオのみに限定された最後の楽園。

しかし、オシリス神話が流行して以来、裁判を通過した者なら誰でも行けるようになりました。

【審判の流れ】
①死者は入口の敷居にキス
②42の神々に否定の告白をする
 ・「人を傷つけなかった」
 ・「家族を害さなかった」
 ・「神を侮辱しなかった」etc.
③告白が正しいか判定
④無罪→オシリスの天国で復活
 有罪→怪獣アメミトが心臓を丸飲み
裁判長オシリスの審判
引用:カイロ・エジプト博物館
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まとめ:信仰こそ全て

当時の人々にとって信仰は絶対条件でした。

・来世で永遠の命を得られる
・森羅万象にエジプトの神々が宿る

厳しい自然環境や病魔に襲われても、2つの信仰を信じきることで救われました。

心の拠り所を持つことが、どんなに安らぎになったことか。

セティ一世王墓の素晴らしい壁画
引用: 村治 笙子・仁田 三夫 「古代エジプト人の世界」

死後の世界を描いた壁画を眺めれば、人々の理想と現実が見えてくるようです。

古代エジプト文明は「死」を思い、「死」を乗り越えるために生まれた文明なのかもしれません。

抜け忍
抜け忍

しみじみ。今も昔も「死」を恐れること・克服することは人生最大のテーマなのね。