YouTubeでの放送が終わって早一ヶ月。
猛烈な空しさと寂しさを乗り越え、ようやくロスから立ち直りました。

気持ちも落ち着いてきたので、なんの脈絡もなく、ただただアギトを語ります(以下、画像引用は©️東映)。
仮面ライダーアギトは間違いなく名作。異論は一切認めません。
キーワードは喪失と再生。
この二文字を意識して観るのがポイント。

三人の主人公は、何を失い、何を取り戻せたのか(or 取り戻せなかったのか)。
物語は、
・超能力に覚醒する人間たち
・謎の生命体アンノウン
・背後に潜む黒服の男(=創造主)
を主軸に、アギト・ギルス・G3それぞれのドラマがクロスオーバー。さらに謎が謎を呼ぶ展開で伏線だらけ。まるで真っ暗なトンネルを手探りで進むよう。
だからこそ、主人公・津上翔一(つがみしょういち)は、明るい笑顔を振りまく設定になったんでしょうね。


唯一の救いだったよ!
彼の育てる家庭菜園も象徴的。

黒服の男とアンノウンが破壊のアイコンなら、無から有を生み出す菜園は正に楽園(=生命の象徴)。
そこでの津上翔一は楽園を司る天使であり、神でもあるワケです。
アギトの変身もシンボリック。
業火に包まれたバーニングフォーム。

日輪の光を浴びたシャイニングフォーム。なんと神々しい。

最終回では、黒服の男と人類の存亡を懸けた戦いに挑み…




キックで一閃!平和な日常を取り戻してメデタシメデタシ…ではなく、黒服の男は生きています。

人知超えた生命体なので「死」と言う概念そのものがないのでしょう。
彼が人の世の行く末を見守ることで物語は終わります。
そしてここからが裏テーマ。
仮面ライダーアギトは、他人事ではありません。誰もがアギトになる可能性があります。

どゆこと?
ここでのアギトは非日常と言う意味。
超能力に目覚めた人間たちは、やがてアギトへと覚醒します。二度と元の肉体には戻れません。


同じように、私たちの生活でも心やカラダに傷を負い、会社を追われ、社会から弾かれ、残念ながら行き場を失う方々がいます。
中々、日常に戻れず、葛藤する様は正にアギト。
劇中でも、自分自身と折り合えず命を投げ出す者、最後まで抵抗して果てる者等々、容赦なく酷い展開。
それでも救いはあります。
「津上翔一」と言う名の救いが。
不器用でも決して信念を曲げない。菜園と同じく惜しみない愛情を周囲にも注ぐ。やがて自分の居場所を見つける。
「アギトでも生きていける」
「自分は存在しても良いんだ」
この一連の流れが(喪失と再生)、観る者に希望を与えるんですね。
仮面ライダーアギトの平均視聴率は、歴代平成ライダーでもトップの11.7%。何より大人たちがハマったのは言うまでもありません。
彼らこそ最もアギトに近い存在なのだから。
Ready to Go, Count ZERO
仮面ライダーAGITO!
君のままで 変わればいい
あなたの中のアギトが目覚めるとき、あなたはあなたのままでいられますか?
