暴力が肯定された日 【抜け忍のブログ日和 vol.15】

酷すぎる…

 

これ以上の感想はない。殴られた人間の顔を見たなら誰もが思うはず。

 

発案はAbemaTV。プロ格闘家Aさんに勝ったら賞金1000万円。ルールはあってないようなもので、ほぼストリートファイト。さらに挑戦者3人も素人同然(内一名は格闘家だが御年44歳のロートル)。

 

基本的にAさんを批判するつもりもないし、彼について何の恨みもわだかまりもない。

 

それでも格闘技が好きな人間として、これは肯定できない。

 

直後にアンサー動画を出して、企画自体の主旨や安全性、業界を盛り上げたい意気込みを語ったものの、案の定コメント欄には否定的な意見がどっさり。

 

結局Youtubeと同じで、より過激なモノを求め過ぎて善悪の基準が曖昧になり、今回の凄惨な結果に至ったのだろう。

 

一人は鼻を砕かれ、一人は8本もの歯をへし折られた。当たり前だ。プロが素人に力を行使すれば当然こうなる。

 

みなさんも耳にしたことがあるはず。元格闘家が一般の方に手を出してしまったニュースを。

 

多くは傷害罪として扱われるが、リングを降りてなお、一般人と格闘家の間には圧倒的な戦力差がある。

 

言わんや現役のトッププロが素人相手に本気で殴りかかるなんて…狂ってる。

 

ワタシは4年間極真空手を習い、弱いなりにも、武道とは何なのか。格闘技とは何なのか。本当の強さとは何なのか。それを学んできた。

 

大山倍達の著書も読み漁り、一時期、彼を教祖として崇拝したほど。

 

そんな彼の名言の一つが「力なき正義は無力 正義なき力は暴力」。

 

今回の企画を振り返って思う。そこに正義はあったのか。大義はあったのか。暴力を礼賛してないか。

 

ここ数年の格闘技界は、バイオレンスな一面を排除し、スポーツライクにアピール、なんとかお茶の間に受け入れてもらおうと努力してきた。

 

しかし、この一件で負の一面が再びクローズアップ、暴力で相手を傷つけることが肯定されてしまった。

 

暫くファン離れや、彼とコラボする方も減るだろう。なぜならAさんは恐怖の対象になってしまったから。そこに憧れや敬意がなくなってしまったから。

 

例えばアナタが小学生からケンカを申し込まれたとする。そして力の差でねじ伏せて勝つ。

 

その勝利を誰が称賛するのか。

 

そんな人間と誰が付き合うのか。

 

対戦を申し込んだ方も売名に違いないが、なんと愚かな。

 

挑戦者の「勇気」を讃えるコメントも見かけたが、こんなもの勇気でもなんでもない。

 

泥臭い練習を積み重ね、技を磨き、その先の挑戦で強い相手に挑み、ようやく認められるのがこの世界。

 

その場だけの富と名声欲しさに、インスタントな練習で挑んでも讃えられることは絶対ない。

 

ましてや「頑張ったね」などと声をかけられることも一切ない。命のムダ使いに過ぎない。

 

最後に。

 

ここまで感情に任せて書き殴ったが、あくまでこの企画のみを全否定しているのであって、Aさん個人を非難しているワケではない。

 

彼が仲間思いでギャラを公平に分配していることは有名だし、ドロップアウトした少年たちの更生施設を作ろうとしていることも知っている。

 

これまで積み上げた数多くのコラボも、自分を育ててくれた格闘技へ恩義を返すためだろう。

 

トップランナーとして、常に新しいチャレンジを求められることも充分承知している。

 

それだけに、今回の企画に賛同してしまったことが、なんとも悔やまれる。非常にやるせない。

 

常人にはわからない苦悩や葛藤を抱えているのかもしれないが、こんな惨劇は二度と見たくない。

 

一ファンとして切に願う。

 

追記

この記事を書き終えたのが11月24日。

あとは12月1日にアップするだけ…のはずでしたが、なんと同日夜にAさん、いや朝倉未来さんご本人が今回の企画について全面謝罪!

 

嬉しいやらブロガー泣かせやら、若干複雑ですが、何の言い訳もせず、自らの非を100%認めた内容は流石。これには頭が下がりました。

 

抜け忍
抜け忍

むしろ素早い対応で、好感度上がったくらい。

 

この記事もお蔵入りにしようか迷いましたが、そのまま訂正せず掲載しました。

 

ご了承ください。