ギリシャ神話の神々とエピソードをわかりやすく解説【最高神ゼウスが色々とヤバい】

世界三大神話に数えられるギリシャ神話も、複雑な構造で馴染みにくいかもしれません。

とは言え、ゼウス、ガイア、アフロディテ等、主要キャラクターを目にするたび、気になる方も多いのでは?

そこでヒマな管理人の出番。

北欧神話同様、ザックリまとめています。

荒ぶる神々の競演が、とにかくアツい!

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1.神話の世界観

1.むき出しの本能

神と言えば秩序や道徳の象徴。

そんなことを思っていた方は、一旦、脇に置きましょう。

彼らにそんな美徳はありません。

理性からはほど遠く、限りなく本能のままに生きている存在なのです。

「神が人を愛し守る存在」になったのは宗教が確立したあと

ギリシャ神話は、それ以前のお話。

荒々しい神々のエピソードがメイン。

2.男神(おがみ)と女神(めがみ)の物語

ギリシャ神話を一言でまとめるなら「男と女の物語」。

男女の愛がテーマになっていることがほとんど。

そしてそこには男性上位の価値観、つまり「男尊女卑」がドッシリと横たわっています。

抜け忍
抜け忍

時代錯誤過ぎない!?

そうなんです。時代が違い過ぎるんです。

太古のむかし、文明は狩猟による食料の確保からはじまりました。

勿論、それは力のある男性の仕事。

自動的に腕力のある男性が裕福になりやすく、人々の中にも「男尊女卑」の発想が根付きました。

神話も、そう言った価値観が前提になっています。

3.ギリシャ神話の世界

ギリシャ神話の世界は、大地・天空・地下(冥界)で構成され、それぞれ原初の神ガイア・ウラノス・タルタロスが治めています。

出典:JWDOCTRINE.COM

4.世代別の神々

多分、これがギリシャ神話を複雑にしている原因。

神々は「不死」の存在であり、近親間でも結婚するなど、家系図を作り出すと、もうメチャクチャ。

「誰が誰の子」で「どの世代の神」かも解りにくい。

そこで理解度を優先して、ザックリ4世代に大別します。

【第一世代(原初神の世代)】

・大地の神ガイア
・天空の神ウラノス
・地下の神タルタロス
・愛の神エロス

 

【第二世代(ガイアの子孫)】

・六人の男神と六人の女神(ティタン族)

 

【第三世代(ティタン族の子孫)】

・ゼウス
・ポセイドン
・ハデスなど

 

【第四世代(ゼウスの子孫)】

・アテナ
・アポロンなど

2.神々の誕生とその歴史

1.世界が出来るまで

全てはカオスから始まりました。

カオスとは「混沌」のこと。天も地もなく、秩序の無い状態。

そこに現れたのが大地の女神ガイア、地下(冥界)の神タルタロス、愛の神エロス

女神ガイアは男の力を借りず妊娠できる謎設定で、天の神ウラノス、海の神ポントスを出産。

それぞれの神が持ち場を治めて世界が作られました。

2.ティタン族の誕生

その後、多産なガイアは息子のウラノスと結婚。 さらに十二人の子供を産みます。

それが男神六人・女神六人のティタン族(日本では「タイタン」)。

出典:crystalinks.com

3.激しい政権交代

ティタン族十二神を出産したガイアの勢いは止まりません。

今度は二組の三兄弟をもうけますが、これが中々の問題児。

一組目は、ひとつ目の巨人キュプロクス(日本では「サイクロプス」)。

ふた組目もヘカントンケイスルという50の頭と100本の腕を持つ異形の巨人。

出典:Crystalinks,Warriors Of Myth

天の神ウラノスは、巨人たちを見るや、あまりのキモさに認知拒否。彼らを地中深く封印。

この一件で女神ガイアは怒り心頭!

子供たちを無下に扱うウラノスを許すわけにはいきません。

そこで彼女は、ティタン族十二神の末っ子・クロノスに巨大な鎌を与え、ウラノスを襲撃させます。

出典:The Occult Revival

襲撃は成功、ウラノスの力は衰え、変わって今度はクロノスが支配者として君臨。

しかし、クロノス政権も長くは続きません。

父ウラノスから王座を奪ったんだから、お前も同じ目に合うよ

女神ガイアのKY発言が炸裂!

抜け忍
抜け忍

いつも、ひと言多いよね。

以来、息子からの報復を恐れたクロノスは、妻レアから生まれた五人の子供を次々と丸飲み。

悲しみにくれるレアは、女神ガイアに助けを求め、五番目に授かった子をクレタ島の精霊たちに守ってもらいました。

それが後の大神ゼウス

ゼウスは、飲み込まれた兄弟たちを救うべく、クロノスに吐き薬を飲ませます。

薬の効果はてきめんで、その時吐き出されたのがポセイドン、ハデス、ヘスティア、デメテル、ヘラ(ゼウスの妻)

抜け忍
抜け忍

世代交代に向け、準備完了!

4.ティタノマキア

クロノスを筆頭とするティタン族と、ゼウスたち率いる新世代の戦争をティタノマキア(ティタン戦争)と言います。

出典:MITOLOGIA GRIEGA

戦いは10年続きましたが、ゼウスは、かつて地中に封印されたキュプロクスとヘカントンケイスルらを味方につけ、一気に形勢逆転。

巨人たちは次々と岩を投げつけ、とどめにゼウスが雷を降らすと、ティタン族は戦意喪失。

オリンポス族の勝利で、遂にティタン戦争は終結しました。

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3.オリンポス十二神の時代

戦争に勝利したゼウスは、オリンポス山の頂上に宮殿を建設、改めて支配体制を築きます。

お馴染み「オリンポス十二神」時代の到来です。

出典:GREEK MYTHOLOGY TOURS

彼らは最も高い位の神々ですが、それ以外でも、前世代のガイアやエロスなどの原初神、ゼウスらの管理下に置かれたティタン族などもいました。

その後、大神ゼウスは一つの行動原理に基づいて生きることに。

それは…

 

ひたすら子孫を残す

 

抜け忍
抜け忍

え…!?うらやましい!

女と見れば手当たり次第。相手は神でも人間でもお構い無し。

種馬のごとく子作りに励みます。しかも神のトップだから誰も口出し出来ません。

王が世継ぎを残すのは当たり前とは言え、かなりのヤンチャぶり。

こうしてギリシャ神話は、ゼウスと正妻ヘラの嫉妬によるエピソードが増えていきました。

十二神のプロフィール

女神の頂点ヘラ

ゼウスの正妻で、女神の最高位。貞操観念がとても強く、浮気は絶対に許しません

ゼウスが他の女性になびく度、その怒りを彼女らだけでなく、その子供にまでぶつけます。

それだけゼウスを愛していたとは言え、こんな恐ろしい女神を敵に回したくないものです。

出典:THEOI GREEK MYTHOLOGY

海神ポセイドン

ティタン戦争後、海の支配を任されたポセイドンは、キュプクロスたちから「三ツ又の矛(トライデント)」をもらったことでも有名。

息子のトリトンも海の神で、法螺貝を吹いて水を自由自在に操りました。

出典:THEOI GREEK MYTHOLOGY

家庭の女神ヘスティア

大神ゼウスの妹。ビジュアルは優れていましたが、男ギライで全ての結婚を拒否。

ドロドロした男女のいざこざより、家庭的で穏やかな生活を望んだようです。

出典:THEOI GREEK MYTHOLOGY

農耕の女神デメテル

ゼウスの、もう一人の妹。とても優しい女神ですが、やや情緒不安定

娘のコレーが冥界の王ハデスに嫁いだあとは、寂しさのあまり地上の作物が実らなくなりました。

その後、コレーは一年の三分の二は地上で、三分の一は地下で過ごしますが、ハデスと地下で過ごす期間は農作物が枯れ、その期間は「冬」と呼ばれました。

出典:THEOI GREEK MYTHOLOGY

戦の女神アテナ

ゼウスの長女で、武勇と知略に優れた戦の女神。

巨人族との戦い「ギガース戦争(ギガントマキア)」では、クレタ島を丸ごと持ち上げ、敵を叩きつぶすほどの豪腕を発揮。

出典:THEOI GREEK MYTHOLOGY

芸術の神アポロン

太陽神でも知られるアポロンは、元々芸術を司り、弓にも優れ、どんな病も治すことが出来た万能の神。

一撃で相手を仕留める弓矢の名は「優しい矢」。実は残虐な一面も。

出典:THEOI GREEK MYTHOLOGY

出産の神アルテミス

アポロンの姉。

月の女神とも呼ばれるアルテミスは、母親レトが出産で苦しむ際、胎内で痛みを和らげようとします。

生まれた後も、弟アポロンの出産を助けました。

出典:THEOI GREEK MYTHOLOGY

軍神アレス

とにかく粗暴で野蛮。

ただただ残虐な破壊行為を好むオリンポスの嫌われ者ですが、冥界の王ハデスには気に入られました。

アレスの殺傷した戦死者が冥界に送り込まれるので、ハデスにとってはありがたかったのです。

出典:THEOI GREEK MYTHOLOGY

鍛冶の神ヘパイストス

度重なるゼウスの浮気に耐えかねた正妻ヘラは、遂に自力で出産を決意。

そして生まれたのがヘパイストス。

しかし生まれつき両足が不自由だった彼は、ヘラから嫌われ、海へと投げ捨てられます。

その後、二人の海神に拾われたヘパイストスは、手先の器用さに目覚め、世界一の名工になりました。

出典:THEOI GREEK MYTHOLOGY

商いと泥棒の神ヘルメス

ヘルメスは生まれた頃から、ゼウスによって商いと泥棒の英才教育を施されました。

つまり「スパイ活動」。

細かい伝令は勿論、裏取引や賄賂による策略など、巧みにこなしたのです。

出典:THEOI GREEK MYTHOLOGY

美と愛の女神アフロディテ

有名な絵画の女性はアフロディテ。しかしその出生は、かなりヘンテコ。

前述した原初神ウラノスですが、実はクロノスから襲撃を受けた際、鎌で切り落とされた男性器が海へと落ちました。

そしてその泡から生まれたのがアフロディテ。なんともシュールな出生なのです。

出典:HIPER CULTURA

冥界の王ハデス

ゼウスの兄弟であり、ティタン戦争でも謎のアイテム「隠れ兜(かぶると姿が見えなくなる)」で活躍したハデスですが、なぜか十二神にカウントされていません。

戦後、任された地下の支配に専念、ほとんど地上に現れなかったためです。

なにかと恐ろしいイメージのハデスですが、実は生真面目な一面を持つ、責任感の強い神でした。

出典:GODS AND MONSTERS.COM

 

抜け忍
抜け忍

ここから先は、さらにお馴染みのエピソードをまとめてみたよ(英雄ヘラクレス・トロイア戦争)。

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4.英雄ヘラクレス

1.人間兵器ヘラクレス

かつてティタン戦争で敗れた神々を地下に幽閉したゼウスでしたが、それがあまりにもずさんだったため、原初神ガイアは彼を許せません。

抜け忍
抜け忍

ガイアさん気まぐれ過ぎ。

そこで彼女は巨人ギガントを集めて連合軍を結成。

ゼウスも来るべき巨人たちとの戦いに向け(ギガントマキア)、人間の女性アルクメネとの間に子をもうけます。

それがヘラクレス

ギガントは神々の力では倒せないため、半分人間の血を受け継いだ半神半人で対抗しようとしたのです。

言わば兵器として誕生したのがヘラクレスでした

抜け忍
抜け忍

神と人間のハーフは他の神話でも活躍するよ。

2.女神ヘラの嫉妬

幼少時から凄まじい腕力を発揮したヘラクレスは成長後も武勇が絶えません。

18歳になると、狂暴なライオンを仕留めて頭部の皮を剥ぎ、自らのシンボルに。

出典:FANDOM

その後も結婚・出産を経て、家庭を築きますが、人並みの幸せを満喫するヘラクレスを、ゼウスの正妻・女神ヘラの嫉妬が襲います

人間の女性アルクメネへの嫉妬が、子であるヘラクレスにまで及んだのです。

ヘラの神通力で発狂したヘラクレスは、子供を次々と矢で殺害、我に返った後は、失意のどん底へ叩き落とされました。

3.ヘラクレスの冒険

子殺しの大罪を背負った傷心のヘラクレスは、立ち直るきっかけを求めてアポロンを訪ねます。

すると、

ミケーネ王が授けた十の試練を突破せよ

とのお告げが。

その時、ミケーネの王エウリュステウスから下された命令がこちら。

出典:Greek Mythology

1.不死身のライオン退治
2.毒蛇(ヒュドラ)の退治
3.黄金の角を持つ鹿の捕獲
4.大イノシシの捕獲
5.30年放置された広大な厩舎の清掃
6.怪鳥の捕獲
7.凶暴な牡牛の捕獲
8.人喰い馬の捕獲
9.アマゾン族・女王の腰帯を奪う
10.赤牛の群れを捕獲

冒険の舞台はミケーネを飛び出し、世界の果てにまで及びましたが、ヘラクレスは見事クリア。

その成果をエウリュステウスに報告しますが、ここで物言い。

2番目のヒュドラ退治と5番目の厩舎清掃に難癖をつけられ、さらに2つの課題を追加されます。

11.黄金のりんご狩り
12.ケルベロスの捕獲

意地の悪いエウリュステウスが出した最後の試練は、クリア不可の難題でした。

4.ヘスペリデスのりんご狩り

出典:greektitans.blogspot.com

黄金のりんごは、妖精ヘスペリデスと百の首を持つ龍ラドンが守るりんご園でしか生えません。

そしてその場所を知る者は誰も居ませんでした。

冒険をあきらめ、途方にくれたヘラクレスでしたが、立ち寄ったコーカサス山で、哀れな神プロメテウスに出会います。

ティタン族の末裔だったプロメテウスはゼウスへの反逆を企て失敗、その罪で山頂に縛り付けられていました。

ほどなく助け出されたプロメテウスは、お礼に兄アトラスを紹介。

彼の娘がヘスペリデスの妖精たちだったことから、ようやく黄金のりんごに辿り着けました。

しかし安心したのも束の間、そんな彼に最後の難関が待ち受けます。

地獄の番犬ケルベロスの捕獲

ケルベロスは冥界の王ハデスの番犬ですが、冥界へは死人しか行けません

つまり絶対クリア不可能。

なす術の無くなったヘラクレスを見かねて、父親ゼウスが動きます。

大神の命により、女神アテナが冥界へのルートを示し、泥棒の神ヘルメスが道案内を務めました。

遂にヘラクレスは生きたまま冥界の王と謁見。

事情を聞いたハデスも同情的でしたが、簡単に番犬を手放すことは、立場上出来ません。

そこで「素手で捕まえれば連れて帰っても良い」という条件を提示。

ヘラクレスに断る理由もなく、猛然とケルベロスに挑み、力でねじ伏せました。

意気揚々とケルベロスを引き連れ戻ってきたヘラクレスに、さすがのエウリュステウスも降参せざるをえません。

出典:Detroit Institute of Arts Museum

こうしてアポロンの予言を全て乗り越えたヘラクレスは、長い間苦しめられていた子殺しの罪からも解放。

その後も英雄らしく、ギガントとの戦いで数々の武勲を残したのです。

5.トロイア戦争

1.ゼウスの策略

トロイア戦争の真の目的は人類の削減

増え過ぎた人間たちは権力を持ち始め、神々の手に負えなくなっていました。

そこでゼウスは策を案じ、女神アフロディテの力を借ります。

スパルタの王妃ヘレネに恋心を芽生えさせ、トロイア国の王子パリスと結婚させてしまうのです

ヘレネを奪われたスパルタ王は激怒。

兄のミケーネ王は勿論、ギリシャ全土からも続々と勇者が集まり、トロイアとの戦いに備えました。

2.英雄アキレウスの参戦

この戦争には数々の兵士が参戦、その中でもギリシャのアキレウスは、英雄の名に恥じない勇者。

出典:history.com

しかも彼は幼い頃、冥界の大河ステュクスに浸され、不死身の身体になっていたのです。

数々の武勇を残したアキレウスですが、同じギリシャ連合軍のアガメムノンに、愛人プリセイスを奪われ、腹いせに戦線を離脱。

その後、劣勢に傾いた連合軍を救うべく戦地にもどりますが、踵に受けた矢が致命傷で、命を落としてしまいます。

抜け忍
抜け忍

不死身なのになんで?

実は、冥界の大河ステュクスに浸された時、母テティスが掴んでいた踵だけは水に浸からず、唯一人間のままだったのです。

3.トロイアの木馬

多くの兵士を犠牲に一進一退の続いたトロイア戦争でしたが、ギリシャのオデュッセウスが最後に一計を案じます。

それがトロイアの木馬

出典:ThoughtCo.

木馬は女神アテナへの貢ぎ物だが、トロイアに入ればギリシャ軍は負けると言うお告げがあった。だからトロイアの城壁に入らないよう大きく造った

近くで捕らえたギリシャ兵から、そんな朗報を聞いたトロイア軍は大喜び。

急いで城壁を壊して、木馬を陣地へと運んでしまいます。

その晩、必勝を信じて酔いつぶれたトロイア軍を、木馬の中に潜んでいた50人のギリシャ兵が襲撃。

外で待機していた大軍も城内に攻め入ると、トロイアは、あっけなく滅んでしまいました。

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6.人間味あふれる神々

今回は代表的なエピソードのみをピックアップしました。

神様なのに嫉妬深かったり、権力に憧れたり、非常に人間くさいのがギリシャ神話の特徴。

喜怒哀楽を盛り込んだ神々の争いは、とてもドラマチック。紀元前に語られたとは思えません。

抜け忍
抜け忍

スゴい完成度だよね!

そんなストーリーの数々をストックしておけば、神話をベースにした映画や小説も、より深く楽しめます。

ちなみに彼らは人間界にも顔を出すので、油断は禁物。

それこそ、隠れ兜で潜んでいるかも。

振り返れば、そこには…!?