【仮面ライダーエターナル】名セリフ「過去が消えていくなら、俺はせめて明日がほしい」を深く味わう

この記事は「仮面ライダーW(ダブル) RETURNS 仮面ライダーエターナル」を既に視聴した方が対象。

 

視てない方はスルーが懸命。

 

全力でネタバレしています。

 

くれぐれもご注意ください。

 

抜け忍
抜け忍

それでも読んでくれたら嬉しい!

 

※画像引用は全て©東映様です。

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仮面ライダーエターナルとは

ほぼほぼ説明不要だとは思いますが、仮面ライダーエターナルは、映画「仮面ライダーW FOREVER AtoZ / 運命のガイアメモリ」に登場した白いライダー。

 

そしてタイトルの名セリフは、大道克己がエターナルに覚醒するまでを描いた「仮面ライダーW RETURNS 仮面ライダーエターナル」で発せられたもの。

(左)仮面ライダーエターナルレッドフレア
(右)仮面ライダーエターナルブルーフレア

 

抜け忍
抜け忍

大道克己はエターナルのメモリに選ばれたんだ!

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大道克己の心の変遷をセリフで追う

ここからは、作品内で大道克己から吐き出された怒涛のセリフを振り返りつつ、心の移り変わりを観ていきます。

 

これから東南アジアのある国に潜むテロリストのボスを倒しに行く

新たな仲間を加え(羽原レイカ)、傭兵部隊としてテロリスト殲滅へと向かう。

 

あんな他愛もない小道具に俺が負けることは許されん。とっとと片付けるぞ

実験体・NAVER(不死者)の大道克己と仲間たちは、財団Xから資金援助を打ち切られた。

 

嫌々戦っているようなヤツを殺す価値はない

突如襲撃してきた超能力兵士「クオークス」のミーナ。彼女の異変に気付いた大道克己は寸前で刃を止める。

 

鎖に繋がれて当然のような顔してるヤツを見ると反吐が出る

実験施設「ビレッジ」には、世界中から攫われたクオークスの候補者が収容されていた。

 

なあ、俺の連れの女はどうした

居なくなった羽原レイカの身を案ずる大道克己。

 

オマエが死ねば、この目は全部閉じるのか?

ビレッジの所長であり、クオークスの人体実験を財団Xに提案したドクタープロスペクト(右上)は、収容されていた人々に、監視用の「目」を埋め込み(右下)、お互いを見張らせていた。

 

おふくろ!

生前、母からプレゼントされたハーモニカ(右上・右下)を夢みる大道克己。瀕死寸前から正気に戻った最初の一言は「おふくろ!」。

 

NAVERになると、過去の記憶や人間らしい感情が、少しずつ抜け落ちていくらしい。所詮、死人だからな

 

生きているんだろ!オマエたちはまだ

 

過去が消えていくなら、俺はせめて明日がほしい。だから足掻き続けているんだよ

 
なあ。死人の俺の方が懸命に明日を求めているってのは、一体どういうワケなんだ

死んだように生きるクオークスの収容者と、死して尚、希望を捨てない大道克己。強力な皮肉の一喝が胸を打つ、超弩級の名シーン。

 

やるよミーナ。オマエは忘れるな。なにもかも

 

助けてほしいというオマエの気持ち。最初から感じてた

収容所の所長と最後の戦いに挑む大道克己。別れる間際に渡したハーモニカは餞別か。それとも人間との決別か。

 

オマエを倒して、この悪趣味な箱庭を叩き潰す

ドクタープロスペクトの残虐非道な実験を、大道克己は許すわけにはいかなかった。

 

俺の故郷をガイアメモリの実験都市に!

ドクタープロスペクトの前に立ちふさがる財団Xの加頭順。故郷の風都を弄ばれ、大道克己の怒りは頂点に。

 

無茶言うなよ。これ以上死ねるか!俺は不死身だ!この世に俺の存在を刻みつけるその日まで!永遠に!

加頭順はエターナル・ドーパントに変身。大道克己を圧倒するが、不死と化したその身を滅ぼすまでには至らず。

 

変・身!

窮地に追い込まれ大道克己にベルトが呼応。故障中のエターナルは、不死者と供に覚醒する。

 

ミーナ!

ドクタープロスペクトとの戦いの最中、収容者たちの危機を感じた大道克己は、彼らの下に駆けつける。しかし時すでに遅し。そこには、この世の地獄が待っていた。無断でビレッジから脱走した者は、額に埋め込まれた「目」により、命を奪われたのだった。

 

負けたよドクター。よくこんな残酷な仕打ちを考えつくよ

 

俺としたことが、一瞬忘れちまってたぜ。人は皆、悪魔だと言うことを

ミーナの死が、大道克己に残された僅かな人間性を粉々に破壊した。

 

さあ、地獄を楽しみな

純白の死神と化した仮面ライダーエターナル。無慈悲にアイズ・ドーパント(ドクタープロスペクト)を吹き飛ばす。

  

もういい!俺たちは未来だけ見てれば良いんだ

砂原レイカは亡くなったミーナをNAVERに加えようと提案するが、大道克己は断固拒否。死者に対する弔いの心は残されていなかった。

 

みんな!俺たちのゴールは決まったぞ。風都だ!

解放者として弱者のために戦った大道克己が、純粋悪のテロリストに転生した瞬間。かつての面影はもう無い。

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大道克己が目指したモノ(抜け忍の深読み)

作中では、教団Xから出資を断られた大道克己率いるNAVERが、テロリストの殲滅などで実績を挙げ、もう一度資金を調達しようと試みます。

しかし、彼の目的は現金だけだったのでしょうか。

 

それは絶対に違います。なぜなら母の愛を一身に受けて育ったから

子供のころは愛情をたっぷり与えてあげないといけないというのは、愛情が脳にとって栄養のようなものだからです。

引用:中野信子「努力不要論」

脳の前頭前野は、充分に愛情を与えることで育ち、意思決定や自制心、他者への思いやりなど、複雑な思考や感情が芽生えます。

 

惜しげなく愛情を与えられた大道克己も、既に脳内で「愛すること」の意味を知っていました。死後も人を労り、思いやる気持ちを確実に持っていました。

 

下記は冒頭でインサートされた母の手記の一部。

午前中は準備に追われたが、午後は比較的穏やかに進めることが出来た。
処置前にスタッフと克己の誕生日を祝った。照れくさそうに笑う克己の笑顔は昔と変わらない。

赤枠の一文を読んでも、彼の性格が穏やかで優しいことが良くわかります。物語の中盤でも瀕死の状態から蘇生した際の一言は「おふくろ!」。

 

ハーモニカを吹くシーンも印象的。よほど母からのプレゼントが嬉しかったのでしょう。生前は懸命に練習したに違いありません。だから記憶の片隅に焼き付いていたのです。

 

大道克己が目指したモノはお金ではありません。愛する母に報いるため、残された僅かな人間性を振り絞って戦ったのです。なんとしても資金を調達し、研究を成功させることは、彼にとって何より優先すべきことでした。

 

抜け忍
抜け忍

だから、母の研究を拒否されたとき、まるで自分の存在も否定されたように感じたんだね。

 

さらに深読みすれば、何が何でも研究を成功させたかったのは、細胞維持酵素を必要とせず、人間の心と記憶を保ったまま、言わば完全体としてのNAVERを目指したからでは?

 

おかしなことを言いますね。キミは。死体のこの男を、これ以上殺すことなんか出来ませんよ

これは財団Xの加頭順が、ミーナに大道克己の秘密を打ち明けるシーン。大道克己は自分が死人であることを知られ、激しく動揺します。やはり自分の身体のことは知られたくなかったのでしょう。

 

このことから、より完璧な肉体を目指したことはもちろん、仲間の人間性も失いたくなかったため、資金集めに奔走した可能性は大。

 

しかし、そんな彼に待ち受けていたのは、無情な幕引き。

 

生前も死後も間違いなく「善なる者」だった大道克己でしたが、ミーナが殺されたとき、最後に残った人間性は失われ、不気味な高笑いと供に、別人格へと変わってしまいました。

そうしないと、内面の葛藤で自分が壊れてしまうからでしょう。

 

こうして彼は破壊の権化へと墜ちていきました。

ここから先の展開は「仮面ライダーW FOREVER AtoZ / 運命のガイアメモリ」に譲ります。

 

最後に。

 

前作も今作も甲乙付け難いのですが、どちらか一つを選べと言われれば、迷わずコッチ。

 

主演の松岡充さんは、とにかくキレッキレ(中盤からチェ・ゲバラが乗り移ります)。ツンデレの落差も激しく、ギャップ萌えの連続。

 

脇を固める役者さんも生き生きとした素晴らしい演技。特に須藤元気さんの怪演は見所の一つ。彼のオネエキャラが緊張感を和らげ、非常に良いアクセントになってます。

 

もちろん生と死のコントラストを漂わせながら、大道克己の心情を丁寧に描いた点も◎。

 

未聴の方は是非。一度視聴した方も、セリフの一つ一つを味わいながら感情移入していくと、2倍3倍楽しめます。

 

抜け忍
抜け忍

大作にありがちな「大味感」もないよ。

 

間違いなく平成ライダー史に残る傑作です!

 

 

大道克己よ永遠に…