時代ですね~。
タイトルがモロに昭和感。
出版当時は「苦しみの先に待つ栄光」が、美談として非常に好まれました。
著者・アントニオ猪木さんの人生も、昭和ドリームそのもの。

たったこれだけの略歴ですが、スゴい迫力。
ブラジル移住の際に船上で祖父を亡くし、移住先でも奴隷の様な扱いを受け、ギリギリの日々の中、ようやく力道山からスカウト。
しかし、その後も日の目を見ることはなく、師匠からはパワハラを喰らい、団体からも干されまくり。

同期のジャイアント馬場さんは華々しくデビュー。悔しかったと思う。
それでも練習練習また練習。背骨やあばら骨がズレても練習練習また練習。
ボロボロの体でリングに上がり、恩師の死や、選手からの裏切りも乗り越え、遂には新団体・新日本プロレスを創設。
生きるとは、逃げないことだ。今を生きるためには、逃げてはいけない。逃げない限り、人は誇りを持てる。
引用:アントニオ猪木「君よ苦しめ そして、生きよ」

猪木さんのファイティングスピリットを如実に表している!
その後の全盛期はご存知の通り。猛烈な練習の先には、怒濤の快進撃が待っていました。

斬新な大型イベントでも次々と成功を収めたよ!



「君よ苦しめ、そして生きよ」のレビュー
値段 | ★★★★★ | 100円。この値段で出会えてラッキー。 |
内容 | ★★★★★ | 全編猪木節全開!元気が湧いて何でもできる! |
遭遇率 | ★★★☆☆ | ちょっと難しい。そこまで出回ることもなさそう。 |
スキ度 | ★★★★★ | 絶対キープ。昭和の価値観を真空パックした貴重な一冊。 |
男が頭ごなしに決めつけたり、女性の人格を無視できた時代はとうに終わっている。男は、女性のもろもろの要求に応えなくてはならない。女性とともに考え、結論を出さねばならない。
引用:アントニオ猪木「君よ苦しめ そして、生きよ」
猪木さんはリング外でも戦っていました。
当時、まだまだ色濃く残っていた男尊女卑を一蹴。
差別を憎み、女性の立場や生き方を、ひたすら尊重したのです。

ホントに強い人は優しいんだ。
これは女性だけではありません。彼は誰に対しても博愛で接し、その精神は人類全体にまで及びました。
私は、世界統一戦の実現に向けて歩みながら、次のような夢のある事業も始めた。アントン・ハイセルと呼んでいるが、エネルギー、食糧、公害問題をリサイクルによっていっしょに解決してしまう - こういったら大げさだが、まあ、そのようなものである。
引用:アントニオ猪木「君よ苦しめ そして、生きよ」
アントン・ハイセルとはサトウキビからアルコールと牛の飼料を生産し、安全に(=エコに)処理できるシステム。
残念ながら経営は失敗に終わったのですが、ブラジルを巻き込んだ国家レベルの事業で、公害問題や原子力の危険性を強く訴えました。

事業の失敗で、かなり非難も浴びたけど、行動と思想はステキ!
自分の幸福だけでなく、皆の幸せを願ってやまなかった猪木さん。
彼は昭和世代最後の希望です。
だから負けないでほしい。勝ち続けてほしい。
2021年5月現在。偉大なレスラーは難病アミロイドーシスと戦う日々。
元気ですかー!
— アントニオ猪木 (@Inoki_Kanji) May 21, 2021
声もだいぶ張り上げて
元気ですかが言えるようになりました。
今回は函館の『愛菜果 ゆあさ』さんより たくさんフルーツいただきましたhttps://t.co/8WnkbWvbDS pic.twitter.com/QfFwBAD3FU
それでもめげない彼に、ご自身の言葉で最大限のエールを送りたい。
「落ちたら、またはいあがってくればいいだけのこと!」
いつまでも待ってますよ!ダァーーー!