そこまで珍本かと言われれば、やや微妙だけど(2000年11月発行)、発見するや即ゲット。
なんで買ったかって?
理由は一つ。
それはアンディ・フグの訃報記事。

極真大好きマンだった自分にとって、彼の死が、どれだけショックだったことか。
そんなアンディはスイス出身の空手家。
代名詞の「踵落とし」をひっさげ、空手界を席巻。その後、極真空手から正道会館へ移籍。
さらに舞台をK-1 GRAND PRIXへ移すと、大柄なファイター相手に大活躍。
1996年の大会では遂に優勝。K-1参戦から、わずか2年目の快挙でした。

-どんなルールで戦っても極真こそ最強-
そのことは自分だけでなく、全ての空手小僧を熱狂させたのです。

空手は弱くない!顔面ナシルールでも強いんだ!
鮮やかな勝利で空手の王政復古を掲げたアンディ・フグ。
その彼が亡くなるなんて…いくら何でも早すぎる。
同誌では猪木さんの編集らしく、ユニークな企画も多いのですが、アンディのインパクトは、あまりにも大きい。

正直、他の記事は入ってこない…。
「アントニオ猪木責任編集 格闘魂」のレヴュー
値段 | ★★★★★ | 100円。そりゃ買いますって。 |
内容 | ★★★★★ | アンディ・フグに尽きます。 |
遭遇率 | ★★☆☆☆ | 一点モノ。時の運としか言いようがありません。 |
スキ度 | ★★★★☆ | 雑誌云々より、とにかくアンディがスキ。極真時代からずっとスキ。 |
【その時、何が起こったか? in 2000】
同誌の出版は今から21年前の2000年。
その年、格闘技界に激震が走りました。
ヒクソン・グレイシー襲来
日本のファイターを次々と葬ったモンスターが、再びやって来たのです。
相手はパンクラスの船木誠勝選手。


真性プロレスファンに「ガチ」の二文字は禁句ですが、船木誠勝率いるパンクラスは、そのガチに挑んだ超・格闘団体。
ルールも限りなくなんでもアリに近いものでした。
-そのトップが、ブラジリアン柔術の最高峰に挑む-
もうね。ファンタジーですよ。
船木ならやってくれるだろうと信じて疑いませんでした。そんな過剰な期待を背に、迎えた決戦当日。
結果は残酷。
ヒクソンはワンサイドで攻め続け、船木は万人の観衆の前で、白目を剥いて失神。幻想は粉々に打ち砕かれました。
西暦2000年。
それはアンディ・フグが亡くなり、ブラジリアン柔術が格闘技界を飲み込んだ年。
その後も、柔術使いを倒すことはブランド視されましたが、それに勝る強豪が次々と表れ(アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ / ミルコ・クロコップ / エメリヤーエンコ・ヒョードルetc.)、いつしかグレイシー一族も表舞台から姿を消しました。
今や、アンディ・フグの全盛期を知らない方も増えましたが、私にとって彼は、依然として英雄であり、唯一無二の偉大なファイター。
記憶を掘り起こす度、その思いは強くなる一方なのです。