で、出たーーー!
これぞ珍本中の珍本。古本屋さんでの遭遇率は、ほぼ0%。
発見したときは、何度も目を疑いました。

もちろん即買い!
万が一紛失しないよう、鞄を抱きしめて帰宅。おもむろに取り出し、ゆっくりページをめくったときの感動たるや!




あかね書房の少年少女世界SF文学全集は、学校図書館の本棚に並び、子どもたちの想像力を無限に掻き立てました。

背表紙を見ただけでもワクワクしたよ!
特に「鋼鉄都市」「恐竜世界の探検」「地底世界ペルシダー」「海底二万リーグ」「怪奇植物トリフィドの侵略」などは、何度も読み返しました。
読むたび、妄想もイマジネーションも広がり、いつもの景色が全く違うモノに見えてきたのです。
・駄菓子屋 → 実はスパイの下部組織
・近所の沼 → 実は古代生物の住みか
・学校の教師 → 実はアンドロイドetc.
これらの読書体験が現実逃避する力を非力な少年に与え、苦痛だった義務教育を乗り越える原動力にもなりました。
「少年少女世界SF文学全集 恐竜世界の探検」のレビュー
値段 | ★★★☆☆ | 700円。明らかなエラー価格。 |
内容 | ★★★★★ | 子ども向けでも侮れません。多少の要約はありますが、内容は大人の読書にも充分耐えます。 |
遭遇率 | ★☆☆☆☆ | 0%。この一冊を最後に、どこの古本屋さんでも見かけたことはありません。 |
スキ度 | ★★★★★ | 絶対手放しません。手放すもんですか。 |
読者諸君、きみたちは - あ、そうだ、まず、ぼくの自己紹介からはじめよう。ぼくは、イギリスでも有力な新聞として名のとおっている、ロンドンの『デイリー・ガゼット』紙の若手記者だ。名まえは、エドワード・マローン、おぼえていてくれたまえ。
引用:コナン・ドイル「恐竜世界の探検」
今、読み返すと、マンガをノベライズ化したような文体。これは旭丘光志(あさおかこうじ)さんの挿し絵を意識したものでしょう。





味わい深い絵ですな。
ちなみに原題は「THE LOST WORLD(失われた世界)」。ジュラシックパークの続編は、この小説が元ネタ。
「どこかで恐竜は生きのびている」
きっとスピルバーグも、強力な妄想に取り付かれたに違いありません。
この作品には、大の大人を揺さぶるパワーが確実に潜んでいるのです。

現在も新訳版で読み継がれてるよ!正に古典!