出ました。松本道弘大先生。
なんでしょうね、このラスボス感。

若い方は、ほとんど知らないのでは?
松本先生は国産バイリンガルの元祖。海外に行くことなく英語力を高め、大使館で同時通訳をこなすまでになった英語の達人。
しかし今、著書「私は英語をこうして学んだ」を読み返すと、時代錯誤のクセが強い!

コアなファンが多いので慎重に書きますが…
内容はハウツー物と言うより、根性論のゴリ押し。ありえない練習量は当たり前で、自らの英語道場では、軟弱な学習者を容赦なく非難。

なんなら「英語やめちまえ」くらいの勢い。
もちろん自分にも厳しい。
宮本武蔵を師とあおぎ、剣を英語に変え、修行の道を歩みます。
私のように迷いの多い人間には、「我、事に於いて後悔せず」と喝破できる武蔵の強さが必要であった。
引用:松本道弘「私はこうして英語を学んだ」
一事が万事この調子。彼にとって英語学習は真剣勝負そのもの。
挙げ句、対戦相手を求め続け、遂には英語界の重鎮・松本亨博士の元へ。
私がまだ初段と二段の中間のころ、未熟を顧みず、かつて英語界を風靡した松本亨博士に「英語で挑戦したい」といって挑戦状を出したことがあった。
引用:松本道弘「私はこうして英語を学んだ」
勝負の行方は train と develop の細かいニュアンスの差で松本博士の勝利。

どゆこと?もうマンガやん。
他にも、
・年間100冊の洋書読破
・1分間に300~400語の速読
・「TIME」を隅から隅まで読み尽くす
など、超人的な努力を読者にまで要求(絶対無理)。軍隊レベルのトレーニングでふるいにかけます。

引用:松本道弘「私はこうして英語を学んだ」
読み終わるころには肩こり必至。
色々とついていけません。
「私はこうして英語を学んだ」のレビュー
値段 | ★★★★★ | 100円。この値段じゃないと買いません。 |
内容 | ★★☆☆☆ | 一周まわってギャグ。 |
遭遇率 | ★☆☆☆☆ | 旧版の遭遇率は、ほぼゼロ。 |
スキ度 | ★☆☆☆☆ | 信者さん or ドMさん向け。 |
ときには居合い抜きヒアリング修得法というものを編み出した。それは真向から歩きながら迫ってくる複数の外人を敵とみなし、すれちがう一瞬、流れてきた英語(剣)をいかに受けとめるかという訓練法である。
引用:松本道弘「私はこうして英語を学んだ」
すれ違う外国人を敵とみなすことは、まずありません。

ホラ、超越している方って変態的な努力を平然とやってのけるから…。
その一点だけは認めます。
それ以外は、ところどころ男尊女卑を匂わせる箇所もあってアウト。
なんなら禁書扱いでも良いくらい。
ギリギリ話のネタにはなるんですけどね。

引用:松本道弘「私はこうして英語を学んだ」